ナレーションのコツ:初心者でも「それっぽく」聞かせる3つのポイント

今回のテーマは「ナレーション」。
ナレーションにチャレンジしている方から「自分の声を聞くのが嫌だ」「全然うまくいかない」といったご相談を受けます。
気持ちはよくわかります。
私はラジオ局の出身で、声だけで表現するのが仕事だったのにも関わらず、最初の頃のナレーションは本当にひどいもので、悪くはないと自分で思えるようになるまで4〜5年はかかりました(アナウンススクール時代を入れるとさらに長い…)。
ただ、プロを目指さなくても「それっぽく聞こえる」ナレーションは、ちょっとしたコツで実現できます。今回は、初心者でもすぐに取り入れられる「3つコツ」をご紹介します!
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ナレーションとは
まず、「ナレーション」とは、何でしょうか。
辞書で調べると「物語ること」「場面外の声」と出てきます。

テレビやラジオではプロのナレーター(声優、アナウンサー、俳優など)が担当することが多いですが、YouTube動画や企業のプロモーション映像では、本人や社員がナレーションをするケースも増えています。
自己制作のナレーションは、プロにお願いする予算を節約できる上に、自分たちで臨機応変に内容を変更できます。AI音声よりも味があって、とても良い取り組みだと思います。
ただ、「素人っぽさ」が残ってしまうと、せっかくの映像やコンテンツがもったいないですよね。
「素人っぽさ」を解消するための「3つのコツ」とは、「3つの上がり過ぎ問題」の解消です。この3つに気をつけるだけで、自然なナレーションに近づきます!


①音程上がり過ぎ問題

原稿を読むとき、声が必要以上に高くなっていませんか。
実はこれ、ナレーション初心者のほとんどが陥る問題。
私自身も、はじめの頃はとても高い声で読んでいました。
高い声のほうが明るく聞こえると勘違いをしていましたし、高くしようとしていなくても、音程が上がってしまっていました。
高い声は幼く聞こえるのはもちろん、滑舌も悪くなるので、伝えたい内容が届きにくくなります。
意外に思われるかもしれませんが、ナレーションは普段の話し声と同じ声で読むように心がけましょう。
冒頭で力が入らないように「そうですね、今回はスマートフォンで…」と、普段のトーンから自然につなげてみてください。
練習のコツは、「そうですね」といったあいづちの言葉で、普段の話し声を意識し、そのトーンを維持すること。
これだけで、ぐっと落ち着いた印象になります。
②助詞上がり過ぎ問題

助詞とは、「私は」の「は」、「私が」の「が」など。
日本語の品詞の1つで、語句と語句の関係を示す語です。
「てにをは」や「と」「へ」も助詞です。
助詞の音程が高くなってしまうと、ナレーションが「今回は!スマートフォンで!アプリケーションを!」のようになり、不自然に聞こえてしまいます。
なぜ助詞が上がるのでしょうか。
それは、小学校の音読練習の名残かもしれません。
「僕たち私たちは!今日〇〇小学校を!卒業します!」といった感じでみんな音読していたような気がします。
自然に聞かせるためには、助詞を下げることが大切です。
助詞を滑らかに読んでみてください。それだけで、ぐっとプロっぽくなります。

③語尾上がり過ぎ問題

最後に「語尾」の問題です。
「ます」「です」などの語尾が不必要に上がると、「ご紹介しまっす!」「できますっ!」のように聞こえてしまい、これも素人っぽい印象を与えがち。
語尾は、文の中でもそれほど重要な部分ではありません。
控えめに、音程を下げて読み上げると、全体の落ち着きが生まれます。
「ご紹介しますm(_ _)m」「できますm(_ _)m」という具合に、練習してみましょう。
応用編

今回ご紹介した方法は「原稿をそのまま読む」形式ですが、YouTuberご自身の動画や、何かを説明する動画であれば、そのまま読まないほうが魅力的に伝わります。
原稿をアレンジし、フリートーク風に視聴者に「話しかける」方法です。
フリートーク風にすると、今回の原稿は以下のようになります。
「はい今回はですね、スマートフォンでアプリケーションをアンインストールする方法、ご紹介していきますね。『アンインストール』っていうのは、アプリを削除することですね。不要なアプリを削除する、つまりアンインストールする、ということですけれども、この、アンインストールすることで、スマートフォンの容量に余裕が出る、スマートフォンの容量に空きが出る、っていうそういうことができます。では早速ですね、アンインストールの方法、ご紹介していきます。」
詳しくはまた別の機会に。
全五回・メルマガ限定・話し方のコツをまとめたショート動画をお送りします。その後も毎週金曜お昼にメルマガ限定のラジオを配信しています。(いつでも配信解除できます)
おわりに:まずは一歩ずつ
ナレーションは奥が深いスキルです。
プロを目指すには、もっとたくさんのことを学ぶ必要がありますが、まずは「3つの上がり過ぎ問題」をひとつずつ解消することで、少し「プロっぽく」なります。
ぜひ、実践してみてください。
「自分の出しやすい音程がわからない」
「意識しても助詞が上がってしまう」
そんな方はぜひご受講ください!
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