【3DAYS集中講座】一般予約開始のお知らせ

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「副業や講師業を始めたい」
「人前で話すのに自信をつけたい」

そんな方のための、声と話し方のトレーニングを少人数でじっくり行います。

📍講座詳細
* 日程:6月15日(日)、6月22日(日)、6月29日(日)全3回
* 時間:11:00〜13:00
* 場所:東京都千代田区のスタジオ(ご予約後に詳細をご連絡)
* 参加費:通常価格 45,000円(税込)

この機会にぜひご予約ください!
 
 


 
 

【3DAYS集中講座】メルマガ先行開始のお知らせ

新しいことを始めたい人のための伝わる声と話し方トレーニング
【3DAYS集中講座】(5名限定)

🗓️今日5/15からメルマガ読者先行予約スタート!
残り3枠です!

そろそろ一歩踏み出したい…そんな方へ!

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※メルマガ読者先行URLはメルマガでのご案内

 
 

「副業や講師業を始めたい」
「人前で話すのに自信をつけたい」

そんな方のための、声と話し方のトレーニングを少人数でじっくり行います。

📍講座詳細
* 日程:6月15日(日)、6月22日(日)、6月29日(日)全3回
* 時間:11:00〜13:00
* 場所:都内スタジオ(有楽町です。講座を一般公開したのちも場所は非公開)
* 参加費:通常価格 45,000円(税込)
※メルマガ読者先行予約は限定価格でのご案内

メルマガ読者先行予約は5月21日(水)まで。
この機会にぜひご予約ください!


 
 

声を高くするのも口を大きく開けるのも間違い!本当のボイトレはこちら

今回のテーマは「話し声を良くするボイストレーニング」

「声を良くしたい」「自分の声にコンプレックスがある」
私のもとにもこうしたご相談はたくさん寄せられます。

そして多くの方が、次のような対策をしているのではないでしょうか。

・声を明るくするために高い声で話す
・滑舌を良くするために口を大きく開ける
・はっきり聞こえるように一音一音クリアに話す
・口角を上げて話す

こういったアドバイス、よく見かけますよね…。
しかし、実はこれらはすべて、「話し声を良くする方法」としては誤り…!

今回は、本当のボイトレ をご紹介します!

 
 

動画でご覧になりたい方はこちら

 
 


 
 

 

 

声を高くすると明るくなる?

 


 

「高い声=明るい声」と思って、声のトーンを上げる人が多いですが、実際にやってみると「ぶりっこ」に聞こえたり、軽い印象になりがち。
また、裏声を混ぜて無理に高くする場合は、さらに不自然さが際立ちます。

かつて私も、電話オペレーターのアルバイトで「ドレミファソの“ソ”の音で話す」や「普段の声より2音上げて話す」といった研修を受けたことがあります。
 
今振り返ると、当時の私の電話の声は「いい声」というより、不自然な声で、お客様によく「機械の録音かと思った」と言われました。

 
 

口を大きく開ければ滑舌が良くなる?

 


 
これもまた誤解されやすいポイント。
 
確かに「口腔」と呼ばれる口の中の空間は、ある程度広く保つことが必要ですが、外側の口(唇)を大きく開けると、かえって発音しづらくなります。

たとえば、「ラリルレロ」のような音は、舌の繊細な動きで作られるため、大きく口を開けることで舌のコントロールが難しくなり、逆に滑舌は悪くなります。

滑舌を良くするには、「大きく開ける」ではなく、唇の開きは小さく、唇も舌も細かく滑らかに動かすことが重要です。

 
 

一音一音クリアに話せば伝わる?

 


 
「一音一音はっきりと」もよく聞くアドバイスですが、これも残念ながら逆効果。

実際、「イ・チ・オ・ン・イ・チ・オ・ン・ク・リ・ア・ニ」と話すと、ロボットのようで非常に聞きづらいですよね。

自然な話し方には「調音結合」と呼ばれる、音と音を滑らかにつなげる技術が必要です
 
「こんにちは」も「こ・ん・に・ち・わ」と分断せず、「こんにちわ」とリズム良くつなげてこそ、自然で聞きやすい日本語になります。

 
 

口角を上げるといい声になる?

 


 
口角は、上げたまま固定して話すと、ぎこちなく、不自然に聞こえます。

新人アナウンサーにありがちですが、ずっと同じ笑顔を保ったままの話し方は、聞く人に違和感を与えがち。
 
声の明るさは、無理な笑顔ではなく、自然な感情を伴った声で表現するものです。

 
 

かつての私の声

 
 

なにを隠そう、私は上記の4つ、すべてやっていました…。

入社3年〜4年目ごろまでずっと、声を高くし、口を大きく開け、一音一音はっきりと出すことを心がけ、口角をぐっと上げながら、放送に出ていたのです。

自分の声にコンプレックスがあり、良い声になりたくて必死でした。
 
しかし、声が明るいと評価されることはなく、「変な声」と言われたり、単に「下手」と指摘されることもよくありました。

特に滑舌が悪く、「ここで1曲お聞きください」が言えず、何十回も録り直しをしていました。

入社4年目の途中、お仕事をご一緒した声優さんに「本番より普段の声のほうがいい声だよね」と言われたことが転機に。

声の高さを普段と同じにし、口の開きを小さくし、”一音一音”を意識するのをやめ、口角の意識もなくしたら、一気に話しやすくなり、それまでと真逆で、声で評価をしてもらえるほどになりました。

 
 

「いい声」の条件とは?

 


 
どうすれば「いい声」になるのかを紐解くために、どんな声がいい声なのかを考えていきましょう。
 
 

私が考える「いい声」には、次の4つの条件があります

1. 身体的負荷が少ない
2. 性格のいいところが出ている
3. 自然体
4. 生きるエネルギーが感じられる

ひとつずつご説明します。
 
 
1. 身体的負荷が少ない
喉に力を入れて無理に声を高くしたり、低くしたりすると、聞く側にも緊張が伝わり、魅力が損なわれてしまいます。
人はそれぞれ出しやすい音程は異なります。
自分の体に合った音程の声を出すことが、最も聞き心地の良い声になります。

 
 
2. 性格のいいところが出ている
声には性格が出ます。
性格の良くないところが声に出てしまっていたら(たとえば声が高圧的、偉そう、あまりに小さいなど)、修正が必要。
 
ただ、どちらかというと内向的な方が「明るく元気にハキハキと」を意識してしまうと、別人を演じることになりがち。
内向的な方であれば「穏やか」「落ち着いている」「優しい」そんな印象の声になれば、魅力的です。

 
 
3. 自然体
声にはメンタルの状態も表れます。
緊張すると、声が上ずったり、震えたり。不安になると、力んでしまいます。
 
マインドコントロールも重要ですし、人前で話すときも朗読調にならないよう、話し言葉で話すことをおすすめしています。

 
 
4. 生きるエネルギーが感じられる
声には、その人の「今」が表れます。
その日の体調、気分、自己肯定感もにじみ出てくるもの。
 
つまり、健康でいること、健康に気を配ることも重要です。
また、自分と向き合い、自己肯定感が高まれば、自然と感情を表出した抑揚になります。
 
さらに、声と向き合いトレーニングを重ねると、1〜3を達成した上で、響きや艶、芯のある声を目指すこともできます。

 
 

「いい声」になる方法

 


 
ではどうしたら、上記の「4つのいい声の条件」に当てはまるような、いい声になれるのでしょうか。

 
 
答えは「心・技・体」です。
 
 

「心」
自己肯定感が低い方は認知行動療法などの心理療法も効果的です。
 
また、人前でも緊張しすぎないようスピーチトレーニングを重ねることや、別人を演じるのではなく、普段の自分の声を生かすこともポイントのひとつです。

 
 
「技」
話し方の分野とも重なりますが、人前でも「話しかける」ような話し方をすると、声も自然体で魅力的になります。スピーチトレーニングはボイストレーニングでもあるのです。
 
また、発声テクニックとして、腹式呼吸で、いわゆる「お腹から声を出す」方法を身につけることも効果的。

自分の録音を客観的に聞くことができるようなスキルも必須です。

 
 
「体」
呼吸や姿勢はもちろん、全身状態を整えることも、「いい声」に繋がります。
私は全身と上半身のストレッチ、さらに肩甲骨を動かす体操なども取り入れています。
 
また、普段声を出す機会がほとんどない方には、生成AIが相手でも構わないので、まずは「話す」ことをすることで、発声に関する筋力を落とさないようにすることを薦めています。
 
 

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まとめ

 
 
✔ 「口を大きく開ける」「声を高くする」は都市伝説!

✔ 自分の出しやすい音程で、自分のいいところが出る声に

✔ スピーチトレーニングはボイストレーニング

そもそも自分の声は変えられないとあきらめてしまっている方もいますが、声は変えらえます!
それも、他者の真似をした声ではなく、自分の”いいところ”が表れる声に。

声の悩みの問題が発声方法なのか、呼吸なのか、メンタルなのか、あるいは言葉選びや構成なのか、原因はさまざま。
 
まずは一度ご相談ください!
 


 

参考資料
講義「音声学入門」(前川喜久雄)/言語学レクチャーシリーズVol.2(国立国語研究所YouTube)

参考図書
和田美代子(著), 米山文明(監修) 2012 『声のなんでも小事典―発声のメカニズムから声の健康まで』 講談社・ブルーバックス
千葉勉(著), 梶山正登(著), 杉藤美代子(翻訳), 本多清志(翻訳) 2017 『母音 その性質と構造』岩波書店(『The Vowel: Its nature and Structure』(1942)の全訳)

YouTube更新!セルフケア編第一弾

ピーチトレーニング専門YouTube!
セルフケア編を更新🆙

講師なのに声が出なくなった日。私の声帯結節治療


 
 
風邪をこじらせて声帯結節を作ってしまいました…。
その治療方法は「完全沈黙」…。

結節ってなに?
こじらせるってどういうこと?
沈黙治療とは?
これらをご説明する動画を作ってみました。

スライドを使いたかったのでいつもとは違う撮影スタイルです。

00:00 今回のテーマ【私の声帯結節治療】
01:10 プログラム
01:17 ①声帯結節になるまで
10:30 ②私の治療方法
17:22 ③完治と原因究明

 
 

無料オンライン説明会のお知らせ

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2025年5月のサロン予定

「五戸美樹のスピーチトレーニングサロン」
2025年5月スケジュール🗓️

・5/5(月祝) 23時59分 4月課題提出締め切り
・5/8(木)12時〜13時 グループレッスン<資料説明>
(・5/11(日)10時〜11時 無料オンライン説明会・サロン外一般イベント)
・5/17(土)10時〜11時 グループレッスン<オーディブル>
・5/24(土)10時〜11時 グループレッスン<アイスブレイク>
・5/28(水)12時〜13時 グループレッスン<プチ講演・Z世代との付き合い方>

■サロン内容✨
・毎週グループレッスン
・毎月課題提出
知識・実践・フィードバックで確実・堅実に話し方が上達するサロンです🙆‍♀️

■サロンラジオ公開✨
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サロン詳細はこちら
https://lounge.dmm.com/detail/2215/
※加入条件について詳しくは上記リンクをご覧ください

「結婚式スピーチの話し方」YouTube更新!

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17本目の動画をアップしました。

結婚式スピーチの話し方!定番挨拶はカット!印象に残る原稿案は概要欄に

 
 
「新郎新婦から結婚式のスピーチを頼まれたが、何を話せばいいかわからない」
そんなご相談、よくお受けします!

ネットで調べて出てくる原稿に、自分と新郎新婦のことを当てはめて丸暗記、なんて、話すほうも聞くほうも辛いです…。

定番の挨拶は長すぎるので全カット。
締めコメントもシンプルに。

私のおすすめ原稿を概要欄下部に載せました!

*動画内の原稿は概要欄下部へ。

*日本語と英語の字幕を入れています。

「ラジオの話し方」YouTube更新

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16本目の動画をアップしました。

ラジオの話し方!原稿をアレンジする方法・読み方をお伝えします!

 
 
ラジオのアナウンサーは、原稿を一言一句変えずに読むことがほとんどありません!
フリートークと原稿部分が別人になると、原稿部分が浮いてしまうからです。

原稿をアレンジする方法は、PodcastやYouTubeなどで配信している方や、人前で話す機会がある方に役に立つはず、と思い、動画にまとめました!

*動画内の原稿は概要欄下部へ。

*日本語と英語の字幕を入れています。

「朝礼のメンタル」YouTube更新

スピーチトレーニング専門YouTube!
15本目の動画をアップしました。

私の話でみんなの時間を奪うのは辛い…を解決!メンタルトレーニング

 
 
朝礼で話すのは「自分の出来事」が正解!

でも・・・
「私の話なんて誰も興味ないと思うんですけど…」
「私の話でみんなの時間を奪うのは申し訳ないです…」
「そもそも私に面白い話なんてないんですけど…」

こういったご相談はとてもよくいただきます…!

メンタル面のブレーキを外すべく、どんな話は長いと感じるか、どんな話なら面白いかを踏まえて解説します!

*日本語と英語の字幕を入れています。

「日本語を正しく使いなさい」と指摘されたら読むコラム-変化する言葉の本質

今回のテーマは「正しい日本語」とは何か

皆さんは「正しい日本語を話しなさい」と言われたことはありますか?
 
私はSNSで「〜さんとご飯に行く」という表現を使った際に「『ご飯に行く』なんて日本語じゃない。アナウンサーは正しい日本語を使うべき」といったコメントをいただいたことがあります。

そもそも「正しい日本語」とは何なのでしょうか?
講師や先輩に「正しい日本を話しなさい」と指摘されたらどうしたらいいのでしょう?
もし、自分が講師や先輩として指摘する立場になったら?

「正しい日本語」の「定義」を紐解くことで、お悩みを解決します!

 
 

動画でご覧になりたい方はこちら

 
 


 
 

 

 

どの時点の日本語が正しいのか

 


 

言葉は時代とともに変化するもの。
 
辞書は定期的に改訂されますが、過去の辞書が間違っていて、新しいものが正しいわけではありませんよね。

これまで、日本語の発音や表記はさまざまな変化をしてきました。
さかのぼれば、奈良時代と平安時代でも異なっています

たとえば、「コ」の発音。

『万葉集』(奈良時代末期に成立したとみられる日本に現存する最古の和歌集)は「万葉仮名」で記されていますが、

「恋」(こひ)は「古比」「故非」「孤悲」
「衣」(ころも)は「去呂母」「許呂毛」

と表記されています。

「こ」に着目すると、「こひ」の「こ」と、「ころも」の「こ」とでは、 使う万葉仮名のグループが違うため、当時は異なる音であった可能性が高いのです(日本語学では「コの甲類」「コの乙類」と区別しています)。

その区別は平安時代には消滅し、平仮名と片仮名が生まれ、「こひ」の「こ」も、「ころも」の「こ」も、「こ」あるいは「コ」になりました。

言語において、変化する前のほうが正しいとする見解を見かけますが、そうだとすると、平安時代にはもう間違っていることになってしまいます。

 
 

話し言葉と書き言葉

 


 

日本語には「話し言葉」と「書き言葉」があります。
 
明治時代の言文一致運動で、それ以前の時代よりは両者が近づきましたが、現在も完全には一致していません。

例えば、書くときは「間違っている」と書きますが、話すときは「間違ってる」と言っても問題ありません(「母音の脱落/縮約」は話し言葉の特徴)。
 
私五戸の出身は埼玉県ですが、書くときは「私の出身は埼玉県です」と書き、話すときは「埼玉の出身なんです」と話すことも、「私、出身埼玉なんです」と話すこともあります(助詞の省略、撥音化)。

もし「書き言葉が正しい」としてしまうと、話すときにも書き言葉のルールを守らなければならず、スピーチや会話が不自然になってしまいます。

「話し言葉」も「書き言葉」も、どちらも日本語
 
それぞれの場面で適切に使われるものであり、「どちらが正しい」という判断はできません。
 
 
冒頭で紹介した「ご飯に行く」は、書き言葉ではカジュアルに見えるかもしれませんが、「ご飯」は「米」の意味のほかに「食事」の意味もありますので、「ご飯に行く」という表現はあり、話し言葉ではごく一般的ですね。
また、SNSは話し言葉で記入することも多々あります(日本語学ではSNSの言語を「新言文一致体」とする考えも)。

 

標準語と方言

 


 

「標準語=正しい日本語」と思われがちですが、日本には公式に定められた「標準語」は存在しません。
 
明治時代に設置された「国語調査委員会」等により、「標準語」は「東京の山手方言に基盤を置くこと」とされました。
 
その後、国立国語研究所の報告書『言語生活の実態』(1951年)で、「標準語」の定義は「なんらかの方法で国として制定された規範的な言語」とされ、「こういう意味の標準語は日本ではまだ存在しない」と記されています。

その一方、全国で通じる言葉もあり、その言葉は「全国共通語」略して「共通語」とされました。
 
方言も日本語なのです。
 
 
ただ、アナウンサーの場合は、社内規定等で共通語を使うことになっている放送局が多く、地方出身の方が東京の言葉を習得することは仕事のひとつとされています。
 
そういった特別な仕事でなければ、方言を使うことは他者に止められることではありません。

(なお、標準語の定義を「規範的な言語」ではなくもっと広義の意味で捉えるべきだとする研究者もいます)

 

「正しい日本語」が正しくない

 


 

いつどんな時も誰に対しても絶対に「正しい日本語」はありません。
 
つまり、「正しい日本語で話しなさい」という指摘に正確性がないと言えます。
 
 
なお、明らかに「間違っている日本語」はあります。
たとえば ”伝わらないケース” 。

⭕️「私は五戸美樹です」
❌「私に五戸美樹です」助詞が間違っている
 
 
あるいは、敬語が誤っているケースです。

❌「母がお召し上がりになります」
⭕️「母がいただきます」「母が食べます」

 
 
なおこれは、アナウンサーは正しい日本語を使うべきという考えに対するアンチテーゼではありません

むしろアナウンサーは言葉を丁寧に使うべき、慎重に使うべきと私は考えています。
言葉遣いに対して常にアンテナを張っておくのがアナウンサーだと思っていますし、それを煩わしいと思う方は、「アナウンサー」ではなく「タレント」を名乗ったほうがいいかもしれません。

 

指導する・される時は

 


 

後輩に指導する時に、「正しい日本語を使いなさい」と指摘できないのだとしたら、どう注意するのがいいのでしょうか。
 
 
私は生徒さんに言葉選びについて伝える時は、言葉の正誤ではなく、
「伝わる」か「伝わらない」か
「不快」か「不快でない」か
この2点を考え、「伝わる」「不快でない」言葉を選ぶことを勧めています
 
 

一方、自分が受講者で、研修講師が「正しい日本語を使いなさい」と指摘していたら、どうするのがいいでしょうか。
 
 
相手となんでも語り合える関係性がある場合は、上記のような説明をすることができます。
そうでないのであれば、バトルをする必要もないので、黙視するか、研修アンケートがあればそちらに感想を書くのもいいですね。
 
 

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まとめ

 

「正しい日本語」という概念は非常にあいまい。

✔ 言葉は変化するもの であり、「過去の日本語が正しい」とは言えません。

✔ 話し言葉と書き言葉は異なる ものであり、一方が正しくて他方が間違いではありません。

✔ 日本に「標準語」は存在せず、全国共通で使われる「共通語」があるだけです。

場面や相手に合わせ、適切な言葉遣いをすることが大事ですね。

 
 
参考文献
伊坂淳一さん 2016『新ここからはじまる日本語学』ひつじ書房
山口明穂さん鈴木英夫さん坂梨隆三さん月本雅幸さん 1997『日本語の歴史』東京大学出版会
国立国語研究所編 1951『言語生活の実態―白河市および附近の農村における』秀英出版